19の夕凪

ふんわりやってます。

三秋縋の小説を薦めたい

 

 

【三秋縋とは?】

 

もともとは「げんふうけい」名義でネットで小説を書いていらっしゃったんですけど、数年前にそれを書籍化されました。ネット上で今でも当時のものは読めるらしいんですけど本の方は加筆・修正があるので、本を読むことをオススメします。ネット小説のリメイクでないものも出版されていますし。

個人的な印象としては、ざっくり言えば現代ダークファンタジーの恋愛ものって感じです。ただ、どの作品も内容が深いんです。病み系ラノベだと思って読むと腰抜かします。現実では起こりえないファンタジーと現実にありふれてる問題がマッチしてて面白い。あとこの人の話は女の子が可愛く書かれてる…かわいい…健気…いじらしい…すき…実際に顔もいい…(表紙より判断)

基本的には救いのない暗い話と思われる作風なんですけど、きっと読む人によってはとても希望に溢れたエンディングです。読み手の性格によって解釈は大きく変わるでしょう。面白いですよね。

 

とりあえず、詳しいことはウィキペディア見てもらえると助かります!!!

さっさと作品の紹介に移りましょう。

 

 

 

【スターティング・オーヴァー】

 

 

スターティング・オーヴァーは作者の処女作です。題名から既に惹かれてしまいますね。

表紙の絵がまた綺麗ですね〜夕焼けなのか朝焼けなのか、どこか現実離れした雰囲気も好きです。

 

二周目の人生は、十歳のクリスマスから始まった。全てをやり直す機会を与えられた僕だったけど、いくら考えても、やり直したいことなんて、何一つなかった。僕の望みは、「一周目の人生を、そっくりそのまま再現すること」だったんだ。しかし、どんなに正確を期したつもりでも、物事は徐々にずれていく。幸せ過ぎた一周目のツケを払わされるかのように、僕は急速に落ちぶれていく。―そして十八歳の春、僕は「代役」と出会う。変わり果てた二周目の僕の代わりに、一周目の僕を忠実に再現している「代役」と。

 

話のあらすじです。

上手くいかない2周目の自分。最高だった1周目の人生を再現してる「代役」の存在。ホンモノのはずの自分の方がニセモノみたいになってしまったんですね。頭狂いそう。

実際に起こりえない出来事ですが、もし起きたらなかなか辛い設定です。ただこの話は、最終的に伝えたいことは割とハッピーなことだと思うんですよね。人間はひとりじゃないと、誰かと一緒だと前を向けるんだなと私は思いました。落とし穴のどん底にあるランタンのようなお話です。

 

 

 

【三日間の幸福】

 

三日間の幸福 (メディアワークス文庫)
 

 

まず、何よりはじめに言いたい

 

表紙がもう傑作!!!

 

いきなり内容に関係ないこと言ってすいません。でもこれほんと表紙の絵が良いんですよ!私にとっての三秋縋作品との出会いはこれだったんですけど、実はただのパケ買いだったんです。

『三日間の幸福』は夏のお話なんですけど、青空と入道雲が良い雰囲気だしてます。あと二人が立ってる場所が日陰なのか、少し暗くなっているのが作中の二人の立場とリンクしてて素敵です。

男の顔が分からず、少女の顔だけ知れるってのも良いですね。作中で彼女の見た目については描写があるんですけど、表紙で彼女の顔を公式が出してくれるとこちらの想像も捗ります。

これ持ってる物とか着てる服とか風景とかも、読後に本を閉じた時に見ると「まさにこんな感じ!」と思います。感動。

すみませんさっさと内容に行きましょう!

 

どうやら俺の人生には、今後何一つ良いことがないらしい。寿命の“査定価格”が一年につき一万円ぽっちだったのは、そのせいだ。未来を悲観して寿命の大半を売り払った俺は、僅かな余生で幸せを掴もうと躍起になるが、何をやっても裏目に出る。空回りし続ける俺を醒めた目で見つめる、「監視員」のミヤギ。彼女の為に生きることこそが一番の幸せなのだと気付く頃には、俺の寿命は二か月を切っていた。

 

話のあらすじです。

人生100年時代なんて言われますけど、100年生きることが正しいのか考えさせられます。命の使い方は人それぞれですよね。これは三秋作品の中では比較的ハッピーエンドだと思います、あくまで比較的ですが。

メインの登場人物は2人なんですけど、主人公のこじらせ感が辛いですね〜でもこういう大人ってたくさんいると思います。私も読んでて釘刺された気分になりました。自分を客観的に見てくれる人は大切です。

このお話はファンの間でも特に人気の一冊です。これで三秋縋を知った人も多いんじゃないかな。はじめて三秋作品を読む人にオススメします。

 

 

 

【いたいのいたいの、とんでゆけ】

 

 

グロいです。いい話なんですけど苦手なので割愛。

表紙の夜の遊園地の絵、とても綺麗ですね。

 

「私、死んじゃいました。どうしてくれるんですか?」何もかもに見捨てられて一人きりになった二十二歳の秋、僕は殺人犯になってしまった―はずだった。僕に殺された少女は、死の瞬間を“先送り”することによって十日間の猶予を得た。彼女はその貴重な十日間を、自分の人生を台無しにした連中への復讐に捧げる決意をする。「当然あなたにも手伝ってもらいますよ、人殺しさん」復讐を重ねていく中で、僕たちは知らず知らずのうちに、二人の出会いの裏に隠された真実に近付いていく。それは哀しくも温かい日々の記憶。そしてあの日の「さよなら」。

 

話のあらすじです。

 

 

 

【恋する寄生虫

 

恋する寄生虫 (メディアワークス文庫)

恋する寄生虫 (メディアワークス文庫)

 

 

冬のお話です。三秋縋の小説は夏か冬のどちらかが舞台になっている気がします。

表紙の女の子がヒロインです。

 

失業中の青年・高坂賢吾と不登校の少女・佐薙ひじり。二人は、社会復帰に向けてリハビリを共に行う中で惹かれ合い、やがて恋に落ちる。しかし、幸福な日々はそう長くは続かなかった。彼らは知らずにいた。二人の恋が、“虫”によってもたらされた「操り人形の恋」に過ぎないことを―。

 

話のあらすじです。

タイトルに寄生虫とありますが、気持ち悪い虫の描写とかはないです。しかし脳に虫が住み着いているという想像をするだけで吐き気がする、といった方にはオススメしません。

人を愛せたと思ったら自分の意思ではなく寄生虫のせいだった…ショック受けますね。そんなの恋じゃないと思うか、それでもいいと思うかは人それぞれだと思います。恋愛感情は人間の感情の中でもかなりあやふやなものだそうですし。

私の印象に残ったシーンとしては、最後ひじりが思ったことが、アイドルの卒業のようで近々推しが卒業していく私としてはとても悲しくなりました。

悲観的な人間は、たった一度幸せを感じるとこの先もっと幸せなことが待ってると思うのではなく、今終わってしまいたいと考えがちですよね。幸せの次に来るかもしれない不幸に耐えられないんです。しんどいなぁ。

 

 

 

 

以上です。ピントのずれた感想が多々あったと思いますが、お許しください。

でもこのくらいピントずれた感想を持てる程度の人間じゃないと、三秋縋の小説は読んだ時に大ダメージくらうと思いますよ。楽天家な私ですらくらったので悲観的な方は病みます。

ただ気持ちのいい病み方をできる小説だと思うので、楽天家の人、悲観的な人、死にたい人、ぜひ一度読んでみてください。